解約控除と解約失効益
解約・失効益は「解約控除額」そのものではない
解約控除額から未償却チルメル歩合を差し引いた残りが解約・失効益になります。
以下は 平準純保険料式保険料積立金 100,000円 / 未償却チルメル歩合 12,000円 / 解約控除額 20,000円 とした場合の数値例です。
同じ積立金を、2つの異なる基準で切り下げている
利源分析上の基準(5年チルメル式)と、契約者への支払額(解約返戻金)の差が損益になる
数値を表で見る
| 項目 | 金額 | 算式 |
|---|---|---|
| 平準純保険料式 保険料積立金 | 100,000 | — |
| 未償却チルメル歩合 | 12,000 | — |
| 5年チルメル式 保険料積立金 | 88,000 | 100,000 − 12,000 |
| 解約控除額 | 20,000 | — |
| 解約返戻金 | 80,000 | 100,000 − 20,000 |
| 解約・失効益 | 8,000 | 88,000 − 80,000 = 20,000 − 12,000 |
解約・失効益=
5年チルメル式 保険料積立金−解約返戻金
5年チルメル式 保険料積立金−解約返戻金
=88,000円−
80,000円= 8,000円
80,000円= 8,000円
つまり=
解約控除額−
未償却チルメル歩合
解約控除額−
未償却チルメル歩合
=20,000円−
12,000円= 8,000円
12,000円= 8,000円
正しい解約・失効益
8,000円
積立金 88,000 − 返戻金 80,000
✕ 解約控除額をそのまま計上
20,000円
12,000円の過大計上になる
差の正体
12,000円
= 未償却チルメル歩合
あわせて押さえておきたい点
- 誤答が結果的に当たる特殊ケース。チルメル歩合の償却が完了していれば
未償却額は 0 なので、解約・失効益 = 解約控除額 となります。この場合だけを見て
「解約控除額=解約・失効益」と一般化してしまうのが誤りの入り口です。 - 符号は自動的にプラスではない。解約控除額 < 未償却チルメル歩合 の状態
(契約初期など)で解約が起きれば、解約・失効「損」になります。上図で言えば青の帯が
基準線の下に反転する状態です。 - 基準が2つあることが本質。利源分析は
5年チルメル式の積立金を基準に損益を測るのに対し、契約者への支払額である解約返戻金は
平準純保険料式から解約控除を引いて決まります。基準がずれている分だけ差が出る、という構造です。 - 他の利源との整合性(要確認)。未償却チルメル歩合の償却そのものは
解約・失効益ではなく別の利源で処理されるはずで、ここを二重計上していないかが検算の勘所になります。
どの利源に立てるかは採用している利源分析の区分によるため、お手元の定義で確認してください。
